国際部レポート『米国の展示会回復は進む ~2022年~ CEIR(Center for Exhibition Industry Research)の2022年第1四半期レポートから』
米国の展示会回復は進む ~2022年~
CEIR(Center for Exhibition Industry
Research)の2022年第1四半期レポートから
5/29/2022 by 寺澤 義親
UFIの調査(Global Exhibition Barometer,Feb.2022)でも世界最大規模の米国展示会市場の回復は世界で最も早く2022年には2019年比の84%まで回復するとされたがCEIRの5月23日発表レポートでも回復が順調に推移していることが確認された。以下要点のみ紹介する。
1.B2B展示会の2022年第1四半期キャンセル率は2021年同期比で9.2%と大幅に改善している。
図1:B2B展示会のキャンセル率の動向(2020年第1四半期~2022年第1四半期)
2.展示会のパフォーマンス指標のCEIR Total IndexとGDPとの連動性はGDPが上回っている。
展示会のキャンセル率の低下と開催率の改善傾向は2022年第1四半期の総合指標の改善につながっている。2022年第1四半期の総合指標は2019年比でマイナス37.9%と2019年を下回るが過去4四半期実績と比較すると大幅に改善している。
一方米国の経済はかなり良い動きとなっている。2022年第1四半期GDPのリアル(インフレ調整済み)は2019年第1四半期比でプラス4.8%となった。
図2:リアルGDPとCEIR総合指標の推移(2019年比)
3.キャンセルされた対面イベントに占めるデジタルと非デジタル手法について見るとデジタル手法が減少、非デジタル手法(No Virtual)が増加している。
2022年第1四半期に予定された展示会のうち90.1%が開催されたが1.6%は延期、8.3%
はキャンセルされ延期されたものを除くとキャンセル率は9.2%になった。キャンセル
されたイベントのうち50%はデジタル手法を提供したがこれは2021年第4四半期の
78.5%から減少している。
図3:キャンセルされた対面イベントに占めるデジタル手法と非デジタル手法の比率
4.2022年第1四半期の総合指標は2019年同期比でマイナス31.5%になった。
これは回復基調に入ってはいるが全体的に回復はゆっくりでまだ不安定なものであることを示している。
図4:2022年第1四半期のCEIR総合指標(中止されたイベント除く、2019年第1四半期比)
なおCEIRの別の調査結果を含めて今後の動向を見ると出展者は2022年を通じて強い復帰を示すが来場者はやや弱いと、さらにコロナが落ち着くのに合わせてB2B展示会の価値が展示会参加の動機になると見込まれている。
CEIRのCEO、Ms.Cathy Bredenは「2019年水準まで戻るには時間がかかるが、その道筋にある。B2B展示会の回復は2022年通じて続く」とコメント。
5.個別の展示会動向
1)NRA2022(The National Restaurant Association Show):5/21-24/マコーミックプレース
主催:Winsight
Exhibitions 3年ぶりに開催される。
主催者の会期前情報ではコロナ前の規模には達しないが1700~1800社が900以上の出展物を600,000平方フイートブースに展示するとされている。500社は新規の出展者。米国50州、110か国から会期中に51,000人が来場登録をした。なお日本からはジェトロが2019年に引き続き16社の日系食品関連企業をまとめてジャパンパビリオンを設置した。
出所:ジェトロウェブサイトから
2)Licensing
Expo:ラスベガス 3年ぶりに開催。
主催:Informa Market
リアル開催:5/24-26
Mandalay Bay Convention Center 出展者200社以上
オンライン開催(Licensing
Expo Virtual):5/26-6/3
コメント
コメントを投稿